英語教育はいつから始めるのが良い?
英語が話せれば人生は豊かになるか?


この記事のまとめ

  • 言語学習の脳機能は7歳以降低下する
  • L/Rの聞き分けは生後10ヶ月以降低下
  • 子供は人を通さないと言語を覚えない
  • 動画/音楽だけでは英語を覚えない
  • 日本でネイティブになる事はほぼ不可能
  • 日本企業は英語スキルを重要視していない
  • 就職に有利なのはコミュニケーション能力
  • コミュニケーション能力は幼少期に基礎が形成
  • 非認知能力はコミュニケーション能力を高める
  • 非認知能力を高めた方が将来裕福に

目次

習い事は早い方が良い?

新学期や新生活が始まり、そろそろ子供に英語を学ばせようかなと考えているご家庭も多いかと思います。

英語だけではなくピアノや水泳など子供の習い事って、早ければ早いほど良いっていうイメージありますよね?

ちなみに、臨界期という言葉を耳にした事ありますか?

臨界期とは?
生体の発達の比較的初期において,ある刺激 (経験) が与えられたとき,その効果が最もよく現れる時期をいう。
ある時期を中心にして,その前後の一定範囲をいうが,最も刺激に敏感で,効果の上がる時期を特に最適期とか敏感期と呼ぶことがある。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

簡単に言うと、一定の年齢を過ぎてしまうとある能力を学習するのが難しくなったり、到達できるレベルが低くなるって事ですね。

スポーツの第一線で活躍しているアスリートは、幼少期から練習をしているっていうエピソードはよくがTVでも見ますよね。

英語についても、幼少期から勉強しないとバイリンガルにならないとよく言われています。

言語の習得についても臨界期があるのでは?と考える人もいて、早くから英語を学ぶ方が良いという傾向もあります。

じゃあいつから始めればいいの?と思いますよね。

アメリカのパトリシア・クール博士という方がその質問の答えを持っていましたのでご紹介します。

言語学習の臨界期はいつ?

下のグラフを見てください。

言語学習の機能は7歳以降低下していくという研究結果が出ています。

ちなみに言語ってどうやって覚えていくかご存知ですか?

脳には言語に関わる部位があるらしく、その部位を「言語中枢」と呼ぶそうです。

脳にはしっかり言語を覚える器官があるんですね。

で、この言語中枢には色んな役割がありますが、1つ重要な機能として「音を判別する機能」があるそうです。

小さい頃に他言語を全く学んでいない場合、英語や中国語を聞き分けるのは難しいですよね。

子供は7歳になるまではこの音を聞き分ける機能が非常に発達しているそうです。

英語だと聞き分ける事が難しい最初の難関はLとRの発音ですよね。

このLとRの発音を聞き分ける能力はなんと生後10ヶ月以降低下し始めるそうです。

 

英語と日本では音が全く違うので、日常よく耳にする言葉を聞き分けられるよう学習していくんですね。

英語圏の子供はLとRの発音の違いを学び、日本の子供は「ラ」の発音の聞き取りができるようになっていくという事です。

日本人にとって「ラ」とは何気なく聞いている音なので、聞き分けるってどういう事?と思ってしまいますが、

英語圏からすると日本人にとってのLとRと似たような聞き取りの難しさがあるんですね。

ネイティブレベルを目指さなくて良いという記事を別でご紹介していますが、もし目指すのであれば早くて生後10ヶ月から、遅くても6歳を目安に英語学習を始めるのが良いかもしれません。

子供は人を通して言語を学ぶ

ここまでの記事を読むと、子供に英語教材を早めに買ってあげて英語学習を始めようと思う方も多いと思います。

でもちょっと待って!

パトリシア・クール博士の研究結果に、子供に音楽、映像、オーディオブックなど通して英語を教えたとしても、音の聞き分けに関してはほとんど効果は無いという研究結果が出ています。 子供が音を学ぶためには「人間の存在」が必要となるという事です。

音の聞き分けの能力を伸ばしたいなら、インターナショナルスクールに入れるか、英会話教室に通わせるか、もしくは親が英語で話すかが必要になってきます。

高い英語教材を買って子供に渡していたとしてもあまり意味がなかったいう衝撃の事実ですね…

ただ、私の見解では音の聞き分けに対しては効果は無いかもしれませんが、英語が好きになるきっかけや英語という他言語の存在を理解するという点では意味があると思います。

子供は親の言葉を真似しますよね。

真似しなくいい口癖も真似してしまうので困る時もありますが 笑

でもそうやって言葉を覚えていくという事ですね。

子供は親の真似をして、親の反応を見て学習している感じはします。

言語は一方向では覚える事はできず、双方向のコミュニケーションを通じて始めて学習されていくのではないでしょうか。

親が英語を話せないが、子供に英語の聞き取り能力を伸ばして欲しい場合は、インターナショナルスクールに入れるか、英会話教室に通わせるか、海外移住するかの選択肢しかありません。

どれもとてもお金がかかりますね。

そして別記事でもご紹介した通り、週一の英会話教室に通ってもネイティブレベルにはなりません

となると、インターナショナルスクールか、海外移住かの2つになってしまいます。

インターナショナルスクールに通わせたとしても、その後英語を話す環境がなければ子供は英語を忘れてしまいます。

となると、選択肢は海外移住しか残されていません。

しかし、今度は親の方が英語を話せないと仕事できないので生活ができなくなってしまいますよね。

つまり、親が英語をネイティブレベルで話せないのであれば、日本にいる限り子供をネイティブレベルにする事はかなり難しいのではないでしょうか?

2020年から日本の英語教育が変わり、早期英語学習時代が本格化します。

日本の英語レベルがどう変化するか楽しみですが、もしレベルが上がる場合はこの英語を聞き分ける能力が変化する事が重要なポイントになってきそうですね。

私は30歳から英語を勉強し始めましたが、LとR以外にもshe/seeや、th/sの聞き分けが難しかったです。

しかし、難しかっただけで今ではできるようになりました。

ネイティブレベルを目指す必要性がどこまであるのか?という観点を持ち考えると、そこまで英語教育を急ぐ理由は無いのでは?とも思ってしまいます。

本気で日本人の英語レベルを上げたいのであれば、DMM英会話のような安くで自宅でできる英語学習をもっと安くするとかした方が広まりそうな気はします。

中途半端な英語教育をお金と時間を使ってやるぐらいなら、他の事にお金を時間を使った方が子供は良い経験ができると思います。

英語という一種のコミュニケーションツールを急いで覚えさせるのではなく、もっと基礎的なコミュニケーション能力を教える事が先決かなと思います


コミュニケーション能力を高めよう

コミュニケーション能力ってよく耳にする言葉ですよね。

そもそもコミュニケーション能力ってなんでしょう?

コミュニケーション能力(コミュニケーションのうりょく、communication ability)は、「他者と意思疎通を上手に図る能力」を意味する。
これに対してコミュニケーションスキル(communication skill)は、人と人の間で意思疎通をとる方法・手法・テクニックを理論付けし、検証を行う技術または知識である。
コミュニケーション能力はコミュニケーションスキルの有無を指す。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ざっくり言うと、人が意思疎通を図る上で必要な「聞く力」「理解する力」「伝える力」とかですね。

私が務めている会社でも新卒/中途採用ではコミュニケーション能力をもっとも重要視しています。

日本経済団体連合会が毎年やっている「新卒採用に関するアンケート調査結果」では、新卒採用の際に選考で重視する点として「コミュニケーション能力」が毎年1位になってます。

将来就職する時に有利になるようにという目的で英語を子供に学ばせている人もいますが、残念ながら英語などの語学スキルはそこまで重要視されていないですね…

主体性、チャレンジ精神、協調性などが重要視されていますが、人とのコミュニケーションを大事にしながら、新しい事にチャレンジできる人材を日本の企業が求めている事がわかります。

これら重要視されている能力は「非認知能力」と言われいます。

非認知能力は聞いたことない人も多いと思います。

ざっくりいうと、「自分の考えや感情を自分でコントロールする力」ですね。

もっと簡単に行ってしまうと「人の性格面」ですね。

例えば

  • 新しい事に興味を示す事
  • 諦めず最後まで頑張れる事
  • 失敗してもまた頑張ろうと思える事
  • 友達と仲良くできる事
  • 責任感を持ち他責にしない事

などです。

社会を生き抜いていく力とも言えると思います。

逆の言葉で「認知能力」という言葉もあります。

ざっくりいうと、算数や英語など知的能力の事ですね。

いわゆるIQと呼ばれるものです。

ここで興味深い研究を1つご紹介します。

ジェームズ・J・ヘックマン教授の研究に「ペリー就学前プロジェクト」というのがあります。

ペリー就学前プロジェクトは、就学前に教育を行った子供とそうではない子供の「14歳時点での基礎学力の達成度、高校卒業率、40歳になった時点での月収や持ち家率」を比較したものです。

結果、就学前教育を行った子供の方が全てにおいて優れているという結果が出ています。

このペリー就学前プロジェクトは、非認知能力を重点的に調べる研究だったそうで、認知能力よりも非認知能力を高めた方が、長期的に良い効果をもたらすという結果が分かったそうです。

つまり、幼少期には英語が話せるという認知能力を伸ばすよりも、非認知能力を伸ばしてあげた方が、将来子供は豊かな人生を歩める可能性があるという事ですね。

上記でご紹介した非認知能力を逆に言い換えると納得感がでてくると思います。

非認知能力を逆に言うと、

  • 新しい事に興味を示さない
  • すぐに諦らめて最後まで頑張らない
  • 失敗したら二度とやらない
  • 友達と仲良くできない
  • 人のせいにする

まぁ極端に言った例ですが、上記の様な人とは例え英語がネイティブレベルだとしても、ちょっと友達になれないし一緒に仕事もできないですよね、、

非認知能力を高めるには?

答えはシンプルです。

子供に愛を届け続ける事です。

もうやっているよ!と思う方もいらっしゃると思います。

もし子供が毎日楽しく過ごせているなら良いのですが、そうじゃなければ子供は何かしらに不安を頂き、自己肯定感が低下している状態になっています。

子供の個性や尊重を受け入れて、子供の考えや行動に共感を示してあげることで、子供はより安心感を持ち、自分を開放して毎日を過ごせるようになります。

そして色んな友達や周囲の人と関わっていく事で、他人の考えや価値観などを吸収していき、自分の世界を広げていくでしょう。

自分の世界を広げていけるレールを引いてあげれば、後は子供が能動的にやりたい事を見つけチャレンジしていきます。

親はそれを暖かく見守り、さり気なくサポートしてあげるだけで十分です。

親が介入し過ぎると子供は自分でやった感を得にくく、結果的に達成感を感じにくくなります。

自分で判断し、そして挑戦する。

成功も失敗も自分の判断の結果、という認識を自分で持っていく事が成長するサイクルです。

親はそのサイクルができるきっかけを作り、見守るだけで良いのです。

見聞を広げ、知見を貯め、そして自分の世界を広げていく。

これが非認知能力を伸ばしていき、社会で生きていく力を高めていきます。

読み書きができる、計算ができるなどの認知能力が他人と比較しやすいので、どうしてもそこ基準で他の子供と比較しがちです。

子供が変わるためにはまずは親が変わる必要があります。

親は焦らずに子供を見守り、子供が楽しく毎日を過ごせるようしっかり愛を届けていきましょう。